キャリアの棚卸作業は、自分自身の過去の経験を見つめ直し、自分がどのように成長し、どのように目標を達成してきたかを振り返るプロセスです。このプロセスは、自分自身をより深く理解し、自信を持って面接に臨むために非常に役立ちます。そこで、この記事では転職活動の面接に役立つあなたのキャリアの棚卸法をご紹介します。
キャリアの棚卸作業を行うための基本的な手順
キャリアの棚卸作業は、自分自身の過去の経験を見つめ直し、自分がどのように成長し、どのように目標を達成してきたかを振り返るプロセスです。このプロセスは、自分自身をより深く理解し、自信を持って面接に臨むために非常に役立ちます
転職の目的と将来的な目標を明確にする
まず、あなたが転職したい理由や、転職後のキャリアプランを考え、自分自身が目指す将来像を明確にしましょう。自分自身がどのようなキャリアアップを目指しているのかを伝えることで面接官はあなたが応募している職務に本気で取り組んでいけるかどうかの判断をしやすくなります。
そして自分自身が目指す将来像と、応募する企業や業界のビジョンが一致することが望ましいため、応募する企業や業界に対して理解していることをわかってもらうことが重要です。企業や業界についての調査や研究を行い、自分自身がどのような理由で応募したのかをしっかり面接官に伝えましょう。
自己分析の実施
自己分析を実施し、自分自身の性格的特徴、価値観や行動傾向などを把握します。これによりあなたが得意とすることや、興味を持っていることを明確にし、これらを転職先で活かせるかどうかを考えることができます。
また、面接官は必ずあなたの性格についての質問をしてきます。そのときにポジティブな印象を与える答え方ができるようにしっかりと自己分析をして備えておきましょう。
職務経歴書の書き直し
職務経歴書のアップデートを必ず十分時間をかけて行いましょう。
職務経歴書を書き直す際には今までの職歴で身に着けたスキル及び成果を強調するように記述します。その時には応募先の職務で求められるスキルや経験に合わせて、あなたのスキルや経験、知識をアピールするような記述の仕方をすることが重要ですので、面接官に伝わりやすいようにある程度アピールする部分を絞り込みつつまんべんなく書いてあるかどうかを最後に確認してください。
この時、あわせて応募先の企業分析及びもしっかり行いましょう。
面接前にいかに準備をするかによって自信を持って面接に挑めるかどうかが変わってきますよ。
経験を整理して伝える方法―STAR法
過去に経験した仕事やプロジェクトを具体的な状況・課題・行動・結果に即してわかりやすく面接官に説明するために整理をしていく方法のひとつであるSTAR法について説明しましょう。
STAR法は面接で自分の経験やスキルをアピールするための手法の一つです。STARはSituation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を取ったもので、自分が過去に直面した状況、課題、どのような行動を取ったか、そしてその結果を説明することで、自分の経験やスキルを具体的に伝えることができます。
【Situation】
まずは、あなたが過去に直面した状況を具体的な数字もいれて説明をすることで背景も含めて全体像を面接官に理解してもらえるような伝え方にしましょう。
「私が以前勤めていた会社では、主力商品が20%を超える売上激減に直面し、その後2か月間売上の上昇が困難な状態が続いた」
【Task】
次に、その状況下で自分が取り組んだ課題を説明します。ここでは、自分がどのような課題に直面したかを説明し、その課題に対してどのような役割であったのかということを話します。また、その時に自分に課せられた具体的な目標もあれば併せて伝えると説得力が増すでしょう。
「私は、売り上げ回復のための新しいマーケティング戦略の策定を担当しました。5か月以内に前の標準まで売上を戻すということを目指していました。」
【Action】
そして、あなたがどのような行動を取ったかを説明します。
あなたの提案・アイデアや、その提案・アイデアに至った経緯、あなたのその時の役割に基づいて行動を起こしたときにどのような他部署との折衝を行ったのか、また上司との交渉があった場合にはその経緯なども入れ込んでいきましょう。
最終的にはあなたのアクションがどのように課題解決に結びついたのかを簡潔に示す内容になるよう自分の中で考えを深めていきましょう。
「今までの顧客からの声を再度見直しをするだけでなく新たに市場調査を実施し、顧客のニーズに合わせた製品になるように改良することにしました。これは当初の目標からずれましたが商品自体が時代からずれているということを上司にも他部署にも理解してもらうための交渉を行いました。また会社に納得してもらうためにどのくらいコストを削減しながら改良ができるかなどの試行錯誤を開発部署にも協力を仰ぎつつ進めていきました。」
【Result】
最後に、上記のことから得られた結果を具体的な数字も織り込みながら説明します。
貴方の行動がどのようにチームや会社に貢献したのかという経緯もしっかりと説明しましょう。
「はじめはコストのかかる商品の改良について難色を示していた上司もコストの削減もできるということに気づき、製品の改良の時期だと納得してくれました。そしてその商品は市場に受け入れられ、会社としての売上は順調に回復基調にあります。」
こうした方法を用いて職歴の棚卸をするときには時系列を意識しながら書き出すと頭の中ですっきり整理されていいですよ。
文章として書き始めるのではなく、メモとして箇条書きにしてみましょう。
職種ごとにキャリアの棚卸作業を行う上でのポイント
ここからは職種ごとにキャリアの棚卸作業を行う上でのポイントを紹介します。上に書いてあるSTAR法などを使いながら説得力をもって面接官の質問に答えられるように備えておきましょう。
営業職の場合
営業職では自己成長を重ねながら、顧客満足度を高めるための販売戦略を立てることが求められます。キャリアの棚卸作業では、自分自身がどのような販売戦略を考え、実行してきたのかを具体的に振り返り、その結果をわかりやすくまとめることが重要です。
そのため
・過去の実績や成績を具体的に把握し、数字や具体的な成果を挙げる
・営業スタイル(コミュニケーションスタイル)や、顧客との関係性を整理
・実行してきた販売戦略を言語化
をすることが必要です。
さらに、今後のキャリアについても応募先で自分の営業スキル・経験がどのように活かせられるのかにつながるように今後のアクションプランを示し、企業のビジョンや目的と自分自身の目標が一致していることも示せるようにまとめておくとよいでしょう。
ITのプロジェクトマネジャーの場合
ITのプロジェクトマネジャーは、プロジェクト全体の進行管理や予算管理を行うことが求められます。キャリアの棚卸作業では、あなたが過去にどのようなプロジェクトに携わり、どのような役割を担ってきたのかをわかりやすく説明することが大切です。
・過去のプロジェクトで担当した役割や、達成した成果を具体的に整理
・プロジェクトマネジャーとしての資質があることを示すためにリーダーシップやコミュニケーションスキルについて事例をあげる
・プロダクトの知識やITスキルそのものの書き出し
上記に加え、IT業界は常に変化するためあなたの学習意欲や技術力もアピールポイントになります。
営業事務職の場合
営業事務職では、営業部門のサポート業務を担当し、社内外のコミュニケーションを円滑に進めることが求められます。そのためあなたがどのような形でサポート業務を行ってきたのか、そしてどのように円滑に業務を遂行してきたのかというアイデアや経験を説明すると良いでしょう。
・過去に担当した業務内容とともに何か工夫をしたことがあればその点を整理
・細かい作業やスケジュール管理が問われるため、あなたの細かさや正確性について具体的に書き出す
・営業事務として必要とされる協調性やコミュニケーション能力を強調できるように準備
営業事務職に期待されることは円滑に業務を行っていくための能力です。そのためあなたのコミュニケーション能力やスケジュール管理能力などが応募先企業でも発揮できるということを面接官に充分わかってもらえるように時間をかけて整理していきましょう。
あなたの今までの経験はあなたにしかないものであるはずです。
しっかりと棚卸作業をして、それを基に面接官が求めているであろうポイントに合わせてアピール事項を整理しましょう。
自己分析と併せてSTAR法を用いるなどして、その会社にとってあなたのいままでの経験が必要であることをしっかり伝えて採用を勝ち取りましょう。
