転職の面接での一般的によく聞かれる質問、定番の質問があります。例えば「まずは簡単な自己紹介からお願いします」から始まり、「なんで今回は転職活動をしているのですか」という質問は必ずされますね。
このページではそんな転職面接では定番の質問とどうすれば面接官が好印象をもってくれる答え方にできるかというアドバイスをお伝えします。
自己紹介について
新卒やアルバイトの面接に限らず、転職での面接でも必ずはじめに「簡単に経歴を含めた自己紹介をお願いします」と聞かれます。
自己紹介はただ単純に自分の経歴をかいつまんで伝えるだけでなく、自己アピールも含めて伝えることが重要です。
よくある転職希望者の答え方としては「私は〇〇と申します。A大学を卒業後、B社で〇〇部でーーを、C社で△△部でーーをしてきました」というものがありますが、これで本当にいいのでしょうか。
「私は〇〇と申します。A大学を卒業後、B社で〇〇部でーーを、C社で△△部でーーをしてきました」
という答え方では、所属部署の羅列だけになってしまって面接官は何を深掘りして聞けばいいのか迷ってしまいますし、深く聞きたいことがあまりないな、という印象を与えてしまいます。
しかし、
「今日はお時間をいただきましてありがとうございます。〇〇と申します、よろしくお願いいたします。」とまずは面接をしてもらうことへの感謝の意を示し、
「私はA大学を卒業し、Dという業界でーーの仕事に従事、〇年後にさらにD業界についてもっと知りたいとのことから同業のE社に転職しました
現在ーーを担当しており、Fという成果を上げました。また、業務に関連してGという知識を持っており(という資格/スキルを持っており)この分野を得意としています」
もしくは
「D業界のH社でーーとして働いておりましたが、〇〇という理由で違う業界であるI社に転職して現在はGという資格を取得して、その知識を活かしてFという成果をあげました」
というように、簡単に自分がどの分野に詳しく、どんな成果を上げたのかについて一言触れておくと、面接官は興味を持って次の質問をしやすくなります。
また、特に自分のアピールとして時間をかけて伝えたい部分、例えばFという成果、Gという資格を持っているなどポジティブな部分だけを簡単に入れ込むとあとでその部分に集中して質問をしてもらえるでしょう。
ただ、ここの自己紹介が長くなると聞いている面接官が話のポイントをつかみにくくなるのと、あなたが話下手であるという印象を与えてしまうのであくまでも簡潔に。つかみでいいので伝えたいことをしっかり伝えられるようにすることを心がけましょう。
そして、自己紹介のポイントがしっかりしていて完結にまとまっているとメモが取りやすく、コミュニケーションがしっかりとれて一緒に働きやすそうであると感じて採用に一歩近づきます。
ですので、自己紹介をするときは単なる経歴の羅列ではなく自分自身の強みや経験、スキルなどポジティブな部分を“簡潔”にまとめて入れましょう。
また、あとで具体的な事例を交えてアピールできるように、面接官の次の質問に“つながる”自己紹介の文章を考えましょう。面接官があんまり面接で聞くことはないな、と思わせないようにしましょう
今まで自分があげた成果や成功体験に対する面接官からの質問の答え方
転職の面接で最初に自己紹介をする際に自分が現在の会社や前の会社であげた成果を簡単に織り込んでいると面接官はどのようにしてその成果を上げたのかを深く知りたくなるはずです。
そこで面接官はあなたの自己紹介が終わると
「ありがとうございました。ーーの業務(プロジェクト)で〇〇という成果を出されたということですが、具体的にどのような取り組みをされたのですか?」という質問をしてくるはずです。
ここでさらに自分を印象付けるにはどのように答えればいいのでしょうか。
この質問で面接官が知りたいのはどのようなプロセスを経てその成果を出したのか、そのアプローチはどのように考えだされたのかということです。
また、自分の経験と併せてあなたが本当にこの課題に真摯に取り組んだのか、そしてその実現性を見極めるためでもあります。
上記のポイントを理解せずに、
「はい、Aという課題があったため、Bというアイデアを出し、それをCの方法で実行しました。その結果、〇〇という成果を上げることができました。」
という簡単な答え方をする転職希望者が多いですね。
しかし、これではどのくらいの規模の課題、もしくはプロジェクトなのか、具体的なプロセスが不透明で面接官にはぼんやりした答えに聞こえてしまいます。特に営業やプロジェクトベースで仕事を進める会社の面接官は具体的な事例、数字に興味を示すので外せないポイントです。
そこで、以下の4点についてしっかり面接官に伝えることが重要です。
その課題やプロジェクトの規模がわかるような具体的な数字をあげる
具体的な数字を挙げることでより説得力があり、明確に面接官に伝わりやすくなるので、
例えば
「担当したAというプロジェクトでは元々のコストでは利益率が目標よりも下回ることがわかったので、完成度の高いプロジェクトのまま800万円のコスト削減をするためにーーということを行いました」
「マーケティング会社において責任者としてCCという商品の販売促進のためにーーというプロモーション戦略をたて、その結果販売数量を30%増加させました」
といった具体的な数字を挙げることで、自分がどのような成果をあげたのかが明確になり、また自分には成果をだすための能力があるということをアピールできます。
アイデアやプロセスについて具体例をあげる
自分自身のアイデアや発想がどのようにその成果に結びついたのかを具体的にあげましょう。
例えば
「以前の職場ではマーケティング戦略において新規顧客の獲得に課題があったため、私は既存顧客に向けてのリピート率の改善にて売上を上げていくことを提案しました。具体的にはメルマガ配信内容の改善やポイント還元制度の改良、お客様アンケートに基づく商品改善などを行いました。その結果リピート率が20%向上し、リピーターの評価から新規顧客の獲得率も15%アップ、月間の売上が10%以上増加しました。」
「工程改善のアイデアを提案し、効率のよい生産ラインを実現しました。具体的には工程の見直しからあぶりだされた無駄なーーといった手順を省略しました。そのために複数の部署を巻き込んで納得してもらうという社内調整に時間がかかりましたが、結果的に生産時間が約12%も短縮され、納品要請からのタイムラグを減らすことで顧客が離れにくい状況を作るのに貢献しました。」
というような、プロセスやアイデアが面接官に伝わるような答え方を考えておきましょう。
チームリーダーとしての役割を求められる転職先の場合にはリーダーシップをアピール
成功事例を説明するときには自分自身がその成果を出すために果たした役割を明確に説明し、面接官に対して自分の仕事に対する責任感の強さを印象付けるといいでしょう。
例えば、
「私はA社にて〇〇年にJというプロジェクトのリーダーとして、プロジェクトの進行管理、スタッフの調整、プロジェクトの進捗報告などを担当しました。その結果、プロジェクトは予定よりも2週間早く完了し、顧客から高い評価を得ることができました」
という流れの答え方にすると面接官の頭の中に入りやすいですね。
この成果をあげた経験からどのようなことを学んだか
面接官はあなたが過去の経験から成長ができるのかどうかも見極めようとしています。特にまだ若い転職者の場合はポテンシャルを測るためにもその成功体験から次はさらに良い成功を収めるためにどういう姿勢でいるのかも見られています。
「このプロジェクトでの成功体験を通して、〇〇というスキルを身に着ける必要があると感じ、Kという資格の勉強を始めました。」
「この課題に直面し、ーーという手法を使って解決したが、この解決方法で新しく〇〇という知識を得ることができ、これは御社で業務をする際に役に立つと思っています。」
というように成功体験を将来に結びつけるような答え方をすることが望ましいでしょう。
- 具体的な数字をあげる
- アイデアやプロセスの具体例をいれる
- リーダーシップについて
- 成功体験を成長につなげられるか
この4点をしっかり入れることによって、あなたの仕事に対する能力、責任感、成長力を面接官は判断していきます。
また、自分の成果を面接官に伝えるときに重要なのは本当にそれを実現したのか、過剰に内容を改善して伝えていないか、そして面接官にとって横柄な態度で話しているように聞こえないかということです。
事前に追加質問にも答えられるように頭の中を整理しておき、あくまでも本当のことを謙虚に伝えるようにしましょう。
異業種への転職で業界への知識について聞かれた場合の答え方
自己紹介が終わった後に聞かれることのうちの一つがその企業や業界についてどのくらい理解があるか興味があるかということです。
そのために異種業界への転職を目指す人も同業界内での転職を目指す人も事前に業界のトレンドや最新のニュースなどを調べ、情報収集をしておくことは必須です。
異業界への転職の場合は
「なぜこの業界に転職をしようと思ったか」
「今までのキャリアでこの業界に少しでもかかわったことがあるか」
「この業界の将来性についてどのように考えているか」
という質問をされることでしょう。
こうした質問にその業界にポジティブな印象を持っていることをアピールし、自分がこの業界でどのように会社に貢献していけるかという内容につなげられるように答えられるように準備をしておきましょう。
面接官に「なぜこの業界に転職しようと思ったのですか」と聞かれたとき、その業界の社会的な位置づけやトレンド、どのような働き方をするのかを研究したうえで答えを考えておきましょう。
開発からコンサルへの業態も変えたい場合
「今の業界では新しい技術の開発に関わっているのですが、御社の業界ではその技術を使って世の中の課題に向き合って解決策を提案できることに興味を持っています。」
スピード感のある業種への転職を希望している場合
「この業界の変化が速く、新しいトレンドやニーズに合わせた製品やサービスを提供することが求められると理解しています。私は新しいものが好きでトレンドを追うようなスピード感のある仕事をしたいと思っています。」
直接顧客と接する業界へ転職したい場合
「今の業界ではお客様の喜ぶ顔を直接みることができず、コミュニケーションをとることが好きな私はもっと直接お客様の喜ぶ顔をみられて人々の生活に関わる製品やサービスを提供することにやりがいがあると思っています。
業界は違うが基本的な業務が同じである場合
「今の会社で課題解決のためにデータを分析する仕事をしています。この業界でもデータの分析が求められることが多いことを知り、そこで新しい業界にチャレンジしながら自分のスキルを活かせるのではないかと思っています。」
特殊な業界への転職を考えている場合
「昔から社会貢献につながる仕事をしたいと思っており、社会的に意義がある業界であるということに魅力を感じています。」
といったような昔からの熱い思いを伝えることもいいでしょう。
上記のような答え方に加えて、自分が貢献できそうな経験やスキルについてアピールを混ぜると完成形になります。
例えば、「元々この業界について興味を持って調べていて、この業界内でも貴社はーーという特色があることを知りました。私自身、ーーという経験を持っており、新しい業界でこうした経験を使って貢献できるのではないかと思っています。」というように会社と自分自身を関連付ける何かがあることを面接官に的確に伝えられるようにしましょう。
異業種からの転職の場合は変に知ったかぶりをすることなく、会話がスムーズに運ぶように、そして質問がある場合は面談の支障が出ない程度に挟みながら面談を続けるのもよいでしょう。
