転職ノウハウ

現職でキャリアアップに限界を感じているということをポジティブに伝える方法

今の会社ではキャリアアップに限界があると感じて転職活動をする人が多いと思います。

そして、転職活動中に面接では必ず「なぜ今転職を考えているのですか」という転職の理由を問う質問があります。これは面接官がただあなたのスキルや経験が求めている職務に合っているかどうかだけでなく、会社内の業務が円滑に進むようにあなたの性格が企業文化に合いそうか、またコミュニケーションを取りやすいかどうかも併せて合否の判断に使っているからです。

そのためスキルや経験を強調するだけでなく、チームプレイヤーとして働けるというアピールをするために転職するための理由をポジティブに伝えられるように考えましょう。

現在の職場でスキルアップの機会が少ない

現在の職場でスキルアップの機会が少ないことをしっかりとした理由をつけないまま伝えてしまうと面接官は自分で積極的に成長しようとしていないだけなのではないかと受け止めてしまうことがあります。そのため、なぜあなたが現在の職場でスキルアップの機会が限られていると感じているのか説明する必要があります。

また、あなたがスキルアップに興味があることを伝え、自己学習や独自のプロジェクトに取り組んでいることを示すと、面接官はあなたのプロアクティブな姿勢に好感を持つ可能性が高くなります。

あなたが感じている現在の職場でスキルアップの機会が少ない理由は何でしょうか。

ここに多くの人が感じるスキルアップの限界の理由とそれをポジティブに伝える方法をあげてみます。

担当業務が単調で新しいスキルを習得する機会が限られている

あなたの現在の業務自体をネガティブにとらえているようにみせないように気を付けましょう。

「現在の担当業務より、御社のこちらの業務の方がより多角的な視点で柔軟に対応することが求められると思います。私はコミュニケーションをとることが好きですし、その性格を業務に活かし、さらに業務自体に必要なスキルを向上させて働きたいと思っていたので今回応募させていただいています」

というように、応募先の業務のほうがより多角的で新しいことに挑戦できる、といういい方を使う方が好ましいでしょう。

職場の業務内容が偏っていて、他部署との業務や役割を知ることができない

業務内容自体に不満があるという伝え方よりも現職で得たスキルや知識を活かして新しい環境で仕事の幅を広げる挑戦をしたいということをアピールしてみましょう。

「現職で得たスキルや知識を生かして仕事の幅を広げられる新しい環境で挑戦してみたいと思っており、また以前から御社の業務で必要となるスキルを身に着けたいと思っていたためです。」

新しい環境で挑戦することで得られるメリットの一つとして他部署との連携などもやってみたいという伝え方もよいでしょう。

会社の規模が小さいためいつも同じメンバーで仕事をしている

より大きな企業で自分のキャリアパスを描いていきたいと思っている場合、正直に自分のスキルをもっと大規模な会社で試してみたいことを率直に面接官に伝えてもいいでしょう。

「現在の職場では、プロジェクトに参加するメンバーが限られており、新しいプロジェクトに参加する機会が少ないです。また、プロジェクトの規模も小さく、より大きな規模で自分の実力を試してみたいしその自信もあります。」

社内研修や勉強会がほとんど開催されない

第二新卒でない限り、この理由を直接伝えるのはあまり得策とはいえないでしょう。多くの企業はすでにスキルや経験を持った人を採用したいと考えているので面接でこの理由を聞くと他力本願の人かもしれないという感じるかもしれません。

鈴木恵
鈴木恵
共通することは現職の業務について面接官がネガティブにとらえてしまうような言葉を使わないということです。あくまでも面接してもらっている企業の業務のほうがよりモチベーションを高くして働ける、という理由にすることです。

また、上記に加えて現職での経験やスキルを生かせる職種であること及び違う業界に転職する場合は業界自体に興味があるということも併せて伝えると良いですね。

業界自体の成長が見込めず、将来性に不安がある

ITや技術の発達により業界自体に不安がある場合に転職を考えるのはよくあることです。この場合、面接官に現職の業界について明確に説明をすることが非常に大切です。面接官が納得しなければただの言い訳として受け止められてしまいます。

業界自体の先行きが不安ということ自体の説明について

新規事業の立ち上げが難しい業界で成長が限定的

例えば、既存製品の改良が主流で新規事業としての立ち上げが限られている場合、現職の具体的な商品名などを挙げて説明すると納得してもらえるでしょう。

また、製品の需要の低迷やすでに過剰供給状態でになっていて新規投資に慎重になっている業界の場合、そのニュースをしっかりチェックしてやはり現職の扱っている商品で具体例を挙げて自分の言葉で説明できるとよいでしょう。

競合他社の業績も悪く、全体的な市場が縮小している

中国やインドなどの安価な輸入品が増え、国内生産の需要が劇的に減少している産業や、原材料の価格上昇によって生産量や利益が減少している産業が当てはまります。

この場合、現職の業界内での立ち位置だけでなく業界全体のトレンドを説明し、なぜ違う業界でチャレンジをしてみたいのかを説明することが大切です。

また、業界が違っても今まで経験してきたことが活かせることもアピールしましょう。

業界の規制が厳しくなり、既存のビジネスモデルでは営業が難しい

環境規制などの規制の強化によって現職のビジネスが先細りになりそうである場合もニュースをチェックし面接官に理解してもらえるように説明する練習をしましょう。

規制強化によるものであることは抗えない事実であるため面接官に悪い印象を与えることは少ないので堂々と伝えることも重要です。

新しい技術が開発されたため、今の業界のままでは生きていけない

この理由は技術者には使いにくい転職理由なので気を付けましょう。営業畑の場合、開発された新しい技術についても知識があること、そしてその知識が転職先でも使えることをアピールできると強いでしょう。

鈴木恵
鈴木恵
違う業界に転職することは非常に大きなチャレンジですね。面接官としても違う業界から入社してもあなたが活躍できるのかをしっかり見極めようとして質問をしてきますのであなたの現職の知識を応用して活かせそうな場合はそのことを強調するといいでしょう。

また、業界の先細りが理由での転職は必ずしもネガティブなことではないので、新しい業界でも自ら必要な知識を得て、興味をもって仕事を取り組める人物であることをアピールできるように積極的な姿勢を前にだすように面接を受けましょう。

人間関係が悪くキャリアアップどころではない

実際には社内の人間関係が理由でその環境下でキャリアアップに限界を感じている人が多いのではないでしょうか。しかし、このことをダイレクトに面接官に伝えてしまうとあなたのことを人間関係の構築が下手だという印象を与えてしまいかねません。

この理由についてはできる言及することを避ける方がいいのですが、面接官から現職での人間関係についての質問をされたらうまくかわすような答え方ができるように準備しておきましょう。

面接官が現職の会社の人間関係について詳細に聞いてこないような面接の進め方ができるといいのですが、この質問の最重要ポイントは「社内に変な人がいる」という伝え方を絶対にしないことです。

上司に不満がある場合

「期待される役割や責任が明確にされておらず、また、自分の仕事に対する適切なフィードバックが得られないことで自分が思った速度で成長できていないと感じている。」

自分がフィードバックを呼び掛けても仕事に責任感のない上司のために具体的な改善案も課題の提示もないことで自分のキャリアップに支障が出ている状況をやんわりと伝えましょう。あくまで仕事上での問題であり、人間関係ではないという方向に向けましょう。

また、パワハラなどの重大な問題の場合で転職を行っている場合でも具体的な事例を挙げることは避けましょう。

同僚に不満がある場合

基本的には同僚への不満は面接官の前では決して言及してはいけません。

もし、面接官がこの質問をしてきたときは、反対に同僚とのコミュニケーションに問題が生じたときにどのように円満に解決したか、仕事の分担を円滑に決定するときにどのようなプロセスを得たのかなどのポジティブな話題に変えて面接の風向きを上手に変えましょう。

社長などのマネジメントに不満がある場合

昇給・昇級がないなどにより自分のキャリアパスが築けないことに理由がある場合はその理由について自分なりの分析をし、昇給・昇級がない中でもどれだけ現職の会社に貢献してきたのかを伝えましょう。

昇給がないことが向上心が強い人にとって社内でのキャリアのモチベーションの維持を難しくすることは面接官は理解しています。特に、あなた自身の仕事に対する態度は関係なく経営がうまくいっていないという理由で昇給が難しそうな場合は将来へ向けてモチベーションを高く仕事をできる会社で働きたいということを伝えてもよいでしょう。

鈴木恵
鈴木恵
社内の人間関係が悪いということはできるだけ面接官に伝わらないように言葉を選びながら面接に挑みましょう。

最近は人材採用においてコミュニケーション能力に重きを置く風潮がありますので、面接官はわざと現職の社内の人間関係について質問をしてくることがあります。その時でもなるべく人間関係の問題から離れるような話題にうまく持っていけるように頭をフル回転させましょう。

どうしても答えなければいけない質問になった時はあくまでも人間としてというよりも仕事をする上で、という流れに持っていけるように工夫しましょう。

鈴木恵からのまとめ

現在の職場でのキャリアアップの限界を感じて転職をする場合、面接官に前向きな姿勢を見せることが重要です。社内で所属部署の異動を願い出てみたか、といった質問もされるかもしれませんが、あくまでも自分が今持っている知識や経験を活かして貢献できそうであること、そしてより大きな成長をできそうであると応募先企業に魅力を感じていることを強調しましょう。

繰り返しますが、現職の社内での人間関係を悪く言うことは絶対に避けてうまく違う話題に持っていけるように工夫しましょう。

ABOUT ME
鈴木 恵
新卒で某銀行に入社。その後、3年目に転職を決意して金融業界で2社。 産休、育休を経験して現在は業務委託として複数社の業務を受ける 友人の転職相談に乗るうちに、転職アドバイザーとしての楽しさに目覚める。 多くの人の転職活動の手助けをするべくブログを始める。 趣味は読書や旅行で、世界各地を訪れることで異文化に触れることが好き。 また、健康にも興味があり、ジム通いやヨガにも挑戦中。 新刊:失敗しない転職活動をkindleで出版